STPとインターネットマーケティング

営業企画立案プロセスを論理的な組み立てで紹介

旅館の集客アイデアを例に見る企画のプロセス

最初にステップは、現状の理解です。旅館の場合、露天風呂付など高いランクの商品はネットですぐ売れます。逆に安価なタイプの客室は、修学旅行などの団体需要があれば放っておいても売れます。コロナ禍の影響を直接受けるランクが、ミドルクラスの一般客室です。そこで、ミドル客室の集客アイデアを考えてみます。

一般的な営業企画であれば、料理などのプランを考えてあれこれアイデアを出そうとします。

しかし、インターネットマーケティングは少しアイデアを生み出すステップが異なります。簡単にいえば、1.「何を、どうしたい?」という客観的なイメージを描き、自社のブランディングを前提に2.可能性を言語化、サジェストキーワードやキーワードプランナーを使って3.影響するキーワードアクセス数を掴みます。それらをヒントに商品を4.抽象化してイメージと対象となる顧客イメージを絞り込むと同時に、時系列ラインから5.共有価値を見出します。

さらにその商品を販売するための施策としてインターネットマーケティングの仕組みを作ります。コンテンツの全体像を作ります。コンテンツの狙いは、集客と販売(問い合わせを含む)です。狙いのキーワードで来訪者が何人あるのかをGoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスで検証するのです。コンテンツに物語性を持たせることで、滞在時間も増えます。集客のためには、問題や課題に応える内容にすることも多くあります。役立つ情報を提供することでイメージを描いていただくためには、何をどうするのかという具体性が必要です。そのなかにLPページを用意することで、販売へとつなげる仕組みができます。

これがインターネットマーケティングに沿った、営業企画を立案するときに進める思考手順と具体的に進めるための行動手順です。

1.何をどうしたい?

サイト訪問者との共通の接点は重要なポイントです。商品やサービスの持つ役割を大きな全体枠のなかで組み立てると同時に、共通認識→共感→価値の共有という流れを時系列で組み立てる作業から開始します。

ここでは、ミドルランクの客室をもっと利用していただくための集客プランという方向性を確認、コンテンツの設計と合わせて目標を明確にしておきます。

2.言語化

売上を増やすためには、「客単価×人数」という基本の考え方があります。この2つを基本にすれば、ミドルランクの集客方法として「料理プラン」がまず浮かぶでしょう。

しかし、本当に秀逸で他社との競争のなかで圧倒的に差別化できるプランという考え方の企画は、これまで何度も挑戦してきているはずです。その枠をはるかに超えたプランが立案できるのでしょうか。また、旅行客が少ない、あるいは同業他社が高額プランを提供する設備を新たに作ったときに、競争に勝てるでしょうか。

ここに「旅の宿」という発想から離れて、「目的の宿」とする考え方が生まれてきます。目的の宿とは、観光で訪れた先の宿泊場所ではなく、何か特別な目的で施設を特定して利用するニーズに対応するということです。

それらの相関関係を図解し、現状と時系列の要素に整理します。これが言語化の1つの作業です。

3.キーワード

ミドルランク客室を、滞在型湯治場という


4.抽象化

5.有価値